からっぽ。

「謝らないで……」

それだけ言って、私は電話を切った。





からっぽ。


私の頭の中も、心の中も。


見る物は全て、色を失くし。

聞こえるハズの音は、何も聞こえない。


坂下が居たから、色がついていた生活。


坂下が居たから、聞こえていた音。


抱きしめてくれた腕も、二人の未来に希望を抱いて語った唇も、幻だったのだろうか?


からっぽの頭の中で、微かに記憶にある言葉。


「歩実さんの為に、俺とは居ない方が良い」


勝手な事を言って……