からっぽ。

「国立の病院に連れて行くから」


お風呂場の脱衣所で着替えをして戻って来ると、坂下はドコかに電話をかけていた。

そして、手早く支度をして、私を残し出掛けて行く。


「少し、眠った方が良い」

私の体を気遣い、そう言ってくれる。


「ありがとう……」


でも、私だって一緒に行きたい。

彩葉ちゃんを心配する気持ちは、同じなのだ。


なのに、言えない。


『俺の子供だから』


そう言った坂下は、自分一人で充分だと、余計な事をしないでくれと、言っている様に感じたから。