からっぽ。

《歩実》



何度も来ている、坂下の部屋。

手を繋いだだけで、寄り添って眠ったベット。


「今、眠ってる」


今日から、しばらくはココに居る事になる。

私は、有給を使って、長めの休みをとっていたから、大きめの荷物を抱えて、この部屋にやって来た。


「分かった。気を付けてね」


薬を飲ませる時間の事や、咳込んだ時の対処の仕方を聞いて、私は、坂下を仕事に送り出した。


静かになった部屋の中では、少し苦しそうにも感じる、彩葉ちゃんの寝息だけが聞こえていた。