からっぽ。

“お蕎麦屋さん”をしているという事と、名字を頼りに、電話帳を使って住所を調べ、やって来た。


母親らしき人が、掃き掃除をしている。


私は、白髪混じりで痩せ細ったその女性を見ていたら、車を降りる事が出来なくなった。


何となくではあるケド、全身で守られてる彼女と、身内の一人も居ない私では、勝ち目がない気がした。


私が、怒りの感情をぶつけただけでは、何の意味がないと思った。


ーーーー電話。

久しぶりに聞く、坂下の着信音。


私は、軽く深呼吸をして、電話に出た。