からっぽ。

《要一》



本当に、穏やかな日々だった。

寝不足をしていても、歩実さんと彩葉と三人で過ごす時間が増え、今までの苦しみが嘘だったと思える程。


初めての“父の日”には、彩葉の手形をとった色紙を、歩実さんが作ってくれた。


寝ている間にとったらしく、握ったままの手を開かせるのに苦労をしたと、歩実さんは笑っている。


こんなプレゼントを、自分が貰える日が来るなんて、思いもしなかった俺は、感動で涙を抑えるのが大変だったのだ。