《要一》



慌ただしい一ヶ月。

最初、急な事情に戸惑い、協力を惜しんでいた親も、彩葉に会わせた途端、孫の可愛さに負けてしまった。


託児所に預ける事も考えたが、まだ三ヶ月に満たない子供では、何かと面倒が多く、実家でみて貰う事にしたのだ。


朝方、営業が終わってから迎えに行き、店に出るまでの時間は、出来るだけ一緒に過ごした。


ぎこちなかった抱き方も、ミルクの与え方やオムツの替え方。


やっと、慣れて来た所。


俺は、彩葉の事だけを考えて、毎日を過ごしていた。