からっぽ。

“ピンポーン”


『来たっ』

坂下だ。

私は、動揺を悟られ無い様に、深く息を吸い込んだ。


「いらっしゃい、どーぞ」

顔が引きつってないか、見えない自分の顔に気を付けながら、笑顔で迎える。


「……あ、あぁ……」

ぎこちなく抱えた、坂下の腕の中には、小さな、体の大きな坂下が抱いているからか、余計に小さく見える、子供が居た。


『あー…あー…』

手足を動かし、ご機嫌な様子の子供。


「……ははっ、俺の子供」


少し照れながら、坂下が言う。


「ふっ、とにかく、入って」


不思議と、子供の笑顔で、私も坂下も緊張が解かれた。