からっぽ。

《要一》



裕美の父親は、俺に頭を下げた。


裕美が、俺を繋ぎとめたくて、彩葉を産んだ事を聞き、くすりを打った体で母乳を与えていた事を聞いた。


「裕美を、施設に入れる事にした………。
彩葉がこのまま、あの娘の側に居たら、裕美も彩葉もダメになる………」



俺に、どんな気持ちで頭を下げたのか。

そして、大切な娘を守る為に、どれだけの苦悩と闘っているのか………


最悪な形で知り合った裕美の父親。


今なら少しだけ、解り合える気がした。



『彩葉を引き取ろう…』