からっぽ。

診療時間前の待合室で、裕美の父親と隣りに並んで座る。


「裕美は、君の所に帰りたいと言ってる」

「………」

「君は、どうしたい?」


俺はもう、裕美とやり直す事は出来ない………


でも、子供の事が気になって、ハッキリ言う事も躊躇われた。


「子供の……、
足を見ましたか?」

「足?」


一瞬だったが、確かに見た。

左足の、人指し指と中指にあたる所。

それぞれの指先はあったが、二本の指は繋がっていた。

親指よりも太い事が気になって、目に焼き付けられたのだ………