からっぽ。

《歩実》



楽しかった一日は、あっと言う間に終わってしまう。

明日は朝から仕事があったケド、引き止められていたら、構わず一緒に居たと思う。


でも、坂下は私の事を気遣って、引き止める事などしない。


嬉しい気持ちと寂しい気持ち。

両方を抱えながら、部屋の明かりをつけた。


『なんだろう…?』

帰り際に渡された小さな袋を開けてみる。


「あっ、可愛い……」

シルバーのイルカが付いた“ピアス”


私が知らない間に買ったモノ。


私は、坂下が、どんな顔をして何を思って買ったのか、想像したら………


一人の部屋の中で、自然に、笑顔になっていた。