からっぽ。

大きな水槽の前で、凄く嬉しそうに白いイルカを見ている。

俺は、そんな歩実さんをみて、ドキドキしてた………


あの“苦手な客”だった歩実さんと、手を繋ぎデートをしているんだと思うと、不思議な気はしたが……



ふと、裕美の事が頭をよぎる。

子供が産まれて、それからが大変なんだ。

俺が育てる事になるかも知れないと、覚悟をしておく必要もある。

そして、こんなハンデを背負った俺と、歩実さんは一緒に居てくれるだろうか……


些細な幸せを感じる程に、沸き上がる不安。


「ねぇ、何か食べようョ」


今は、歩実さんの笑顔が、不安を打ち消してくれた。