からっぽ。

自動販売機の前で、二人で飲み物を選ぶ。

そんな、なんでもない事に幸せを感じる。

太陽の下、沢山の人が集まる場所。

どうしても、正行さんとは出来なかった事を思い出すと……


「ねぇ…、手、繋いで?」

私の、思い切った言葉に、照れながら頷く坂下。


私達は、世間から見たら立派な大人だったケド、周りにいる人達の誰よりも“純粋”な気がした。


ぎこちなく繋がれた手は、まるで中学生のようで、こんな気持ちをまた持つ事があるなんて、信じられなかった。


自分達だけが幸せなら、それで良かった………