からっぽ。

「どーぞっ、入って」

そういえば、こうして部屋の中に入るのは、初めてだ。

朝方送って来た時は、車の中で話をするのが当たり前になっている。

だから、部屋の中を見るのも初めてだった。


久しぶりに入る女性の部屋に、少しだけ緊張したが、歩実さんは、手紙を渡す前と何も変わらない。


同じ色で統一されている家具に、女性の部屋にしては“殺風景”な感じさえする。


隣りの部屋に置いてある、ダブルベットが目に入った。


俺は、話に聞いていた、別れた彼氏に対して、少しだけ嫉妬の様なモノを感じた。