からっぽ。

《要一》



外は、すっかり明るくなっている。


「すみませんでした……。仕事があるのに………」

歩実さんの部屋の前に着いた。



「何か大切なのか、もう一度考えてみて……。
それと、自分の幸せもね!」

「いつも……、すみません………」

「あたしの方こそ、遠くまで来てくれて、ありがとうね」


そう言って、歩実さんが車を降りた。


“コンッ、コンッ”

突然、運転席の窓を叩かれて、慌てて窓を開けた。


一瞬の事で、驚きの方が大きく、すぐには状況を把握出来なかった。


……キス……された?

「大丈夫。一人じゃないョ。じゃあっ」

そう言って、部屋に入ってしまった。