からっぽ。

《歩実》



『辛いです……』

頭の中を、同じ言葉がグルグル回る……

坂下という男は、自分の弱い所を人に見せるタイプじゃない。

なのに……


私は、坂下の弱い所しか見ていない。

『今度は何を、抱えているんだろう……』

気にはなっても、私からは、何も出来ない。





この音は………

正行さんからの電話。


やり直す事を、ハッキリ決めた訳じゃない。
でも、正行さんは、決めているんだ。

私が何も言わなければ、ズルズルと続いて行く事になる………