からっぽ。

“s”のドアを開けると、力なくソファに座る、坂下と目が合った。

こっちに歩いて来る。


「遅くなって、ごめん………。大丈夫?」

言い終わらないウチに、坂下が私に抱き付いて来た。


「ちょっ、ちょっと……、そんなに飲んだの……?」

坂下は、何も言わない。


ゆっくりと顔を覗き込んでみた。




泣いてる………




私は、お店の中の人達に、坂下のこんな姿を見せてはいけない気がして、体を支えたまま、外に連れ出した。


倒れない様に、坂下を支え直す。



「………歩実さん…」

「ん?」

「……俺……辛いです…」