「ゆっちゃん、いるー?」

一年五組のドアから呼ぶ。

「優深(ゆみ)ちゃんのお姉さんですか?」

一年五組の子に聞かれたのではいと答えた。

「優深ちゃーん!お姉さんが来たよー!」

優深がすぐに来てくれた。

「にい姉ちゃん!どうしたの?」」

優深は笑顔だけど少し疲れているように見える。

「誕生日プレゼント、また後でちゃんと祝うから……」

摘んだ花をピンク色のヘアゴムで結んだものと手紙を渡す。

「ありがとう!」

優深は教室に戻り、試験管にお花を入れた。それに水を入れて教室で飾られることになった。

「ハッピーバースデー!ゆっちゃん!」

一年五組の女子全員と一緒に祝った。暗くて明るい教室で。

「じゃあね、ゆっちゃん」

「にい姉ちゃん、みい兄ちゃん、ありがとう!」

途中で弟の満(みちる)も来て、満が恥ずかしがりながらおめでとうと言った。

「みっちーはこうなってから大丈夫か?」

「うん、にい姉こそ大丈夫か?殴られたりとか……」

「大丈夫だって、みっちーはあいつに目つけられたりしないよう気ぃ付けなよ」

そう注意して、満と別れた。