仕事の合間に授業は一応ある。六時に起き、四十五分で準備と朝ごはん。それから全員の仕事が終われば授業、又は別の仕事。
授業は今までの美術や音楽などが無くなり、5教科だけになる。国語も自由に詩等を書くという授業は無くなった。
一番嫌な授業は、あいつが自分のことを王だとか言って洗脳しようとする授業である。いや、もはや授業じゃない。そういうことが書かれている紙を読まされることを強要された。私はばれないように、紙を爪で引っかき読む時も口パクでやり過ごした。

今日は私たちに授業は無く、学校にポスターを貼る作業をしていた。

「ポスターの裏なんて誰も見ないよな。裏に打倒!独裁者錐山とか書いてやろっかな」

錐山は別の階にいるから聞こえないと思うが、一応小さな声で言った。

「やめておいた方がいいよ」

優ちゃんには止められた。優ちゃんの目にはクマが出来ていて、いつも疲れている。私も、最近お腹が痛くなることが多い。

「このポスター、逃げようとするなって書かれてる」

「逃げようとした人がいたみたいだね。その人たち、どこかに監禁されているらしいよ」

逃げようとした人……もしかしたら、その人たちの話とお願いして教えてもらった話を合わせれば、高確率で脱出できる作戦が考えられるかもしれない。
今日は妹の誕生日、間に合わないかもしれないけど出来るだけ早く祝いたい!そう思って、ゴミを焼却炉に燃やす仕事を引き受けた。何故かというと、焼却炉は外にあって外の様子を見に行けるからだ。