「錐山に殴られたりするのは嫌だったけど、みんなで一緒に寝たりするのは楽しかったなあ」

「なら、夏休みとかにキャンプとかしようよ~」

「いいね、夜は恋バナする?」

女子がそんなことを話していると、男子が俺らもやろーぜと集まる。

「仁意那隊長もやろ~」

「いっ今はただの升山 仁意那です……」

まさか誘われるとは思わなかった。でも、いいかもしれない。恋バナには興味ないので寝るけど。
計画が立てられ始め、先生も面白そうと言った。そうだ、今年の夏休みは優深を楽しいところとかに連れて行ってみよう。それで、悲しいことが少しでも吹き飛ぶといいな。

家に帰ってお母さんにそのことを話すと、それ採用!と言っていた。満は、外出たくないといつも言っていたけど今年は違うらしい。優深も、少し嬉しそうだった。

凍っていた日々は、夏の暑さで溶かされていく。