そして、最後の休みの日に優深の誕生日パーティを開いた。優深の友達も来て、部屋はプレゼントや飾りでいっぱいになる。
何人か遅れてきたらしい。なかなか家の中に入ってこない子が一人いて、その子は優深を見たとき謝った。そういえば、この子は私にほうきを向けていたな……

「もういいよ。もう外に出られたんだよ、普通の友達に戻ろう」

優深は泣いているその子に言う。あのとき警備隊だった人たちは、洗脳を解かれた後みんなに恨まれていないか不安に思ったり、罪悪感を持ったりしたらしい。学校が始まって、いじめが無いようにしようと木下たちが警察署でみんなに呼び掛けていた。

「優深ちゃん、蝋燭立てたよ~!」

「ありがとう!ほら、ケーキもあるし来て!」

ケーキの周りに集まった。部屋は少し窮屈だったけど、みんなで祝えてよかった。

誕生日パーティが終わった後、私は明日の準備をしなきゃなーと思った。学校に行くのは、楽しみだけど少し嫌だった。あの校舎を見ると嫌なことを思い出す。
優深はおそらく、明日学校には行けないだろう。学校を見ると怖くなるらしい。満は大丈夫みたいだ。

夜は、いろいろなことを考えてしまってなかなか寝られなかった。