あいつが私を見下しながら言う。

「升山、お前は特に可愛くも無い上に身だしなみにも気を使わない。声は小さくて聞こえない。見ていて腹が立つ」

言われるのも慣れているし自分でも分かっている、そんなこと。

「勉強も運動も出来ない。カバンには気持ちの悪いアニメのキーホルダーを付けている」

「は……?」

気持ちが悪いだと……あのアニメを作った方々、アニメが好きな人も馬鹿にするなんて……

「俺はいつも思っていたのだが、お前は……」

あいつは私の髪を掴む。そして……

「女だと思いたくないな」

髪をハサミで切る。私の髪はバサリと地面に落ちた。