葵の声を遮るように大きな声で謝った菅野さんは、身体が半分になるまで腰を折って深く頭を下げた。
「ごめんって…、そんなんで済むとでも思ってんの……」
グッと拳を握りしめて、葵は一歩前に出て頭を下げたままの菅野さんを睨みつけた。
口元も拳もワナワナと震えていて、葵の全身から怒りが見える。
「そ、んなこと、は………」
「あんたは、紘那がどんな気持ちでにっしーのことを…!」
あの時のことがフラッシュバックしてきて、まるで瞬間接着剤で固定されたように身体が動かなかったけど、
「葵っ!」
私は葵と菅野さんの間に入って、葵を止めた。
「葵…菅野さん…場所移動しよ」
大きく振りかぶった右腕を葵はゆっくり下ろして、菅野さんもやっと顔を上げてくれた。
二人の声があまりにも大きく、おまけに昇降口の近くだったからか目立ってしまい、周りにはたくさんの人の顔があった。
