「西岡先生、千堂大の図書館は古文関係の本がこの辺の大学では一番充実してるって言ってたぞ。
もし、今のところ何も考えてないなら、少し視野に入れて見てもいいんじゃないか?」
ふと高1の夏休み前、図書館での話を思い出した。
私が落窪物語を選んだ時、今考えると瑞輝は凄く嬉しそうな顔をしていた。
本当に、古文が好きだったのかな…
もう直接本人に聞く機会はないかも、しれないけど……
「ん……」
「…紘那、自分がやりたいと思うことをやりなさい。
お父さんは紘那を応援するから」
「う、ん……ありがとう
鬼頭先生、私、千堂大の文学部を第一に考えたいと思います。」
「わかった。推薦のことはまたその時期になったら伝えるが…
たぶん、大丈夫だ。」
人生の岐路である、大学受験。
これからの人生、どんな方向に向かっても…
今は、瑞輝が歩んできた道を…私も進みたいと思う。
