コンコンと、部屋のドアをノックされる音が響く。 「はーい」 返事をすれば、すぐに開かれたドア。 「あ、みなみさん」 入ってきたのは、みなみさんだった。 みなみさんは私が仲のいい20歳の女の人。 「実咲ちゃん、これ、男の子から渡して欲しいって言われたんだけど。知り合いかしら?」 「え?男の子?」 みなみさんが持っていたのは、五つの黄色いガーベラの花束。 ドクンと、心臓が高なった。