小さい子供たちが、中庭で遊んでるのが見えて、微笑ましく思った。 「ここか」 308号室と書かれていて、隣に実咲の名前が書いてある。 ノックをしようとしたら、勝手にドアが開いた。 「みさっ‥‥」 実咲と、呼ぼうとした瞬間、予想ハズレの人物が立っていた。 「えと‥‥あなた、は」 見覚えのある人で、俺はあっ!と思い出した。 「花束の!」 「はい。あの時はどうも」 ぺこりとお辞儀をしたその人は、俺も咄嗟に頭を下げる。 名札には岸田みなみと書かれていた。