「翔くん!」 私が大きな声で名前を呼ぶ。 「ん?」 首を傾げた翔くんに、私はちょっと待ってて!と、そう告げて部屋の中に入る。 真っ白な紙に、シャーペンを滑らせて、紙飛行機にして、翔くんめがけて飛ばした。 どうか、届きますように。 翔くんに、届きますように。 ふわふわと宙を待った紙飛行機は、見事に翔くんの足元に落ちた。 私、飛ばすのうまいなぁ。