「ほ、本当か!本当にゆーくんなのか!?」


「うん!!そうだぜみゆ!!」


10年振りの再開。嬉しくないわけがない!


ただ…


「…名字変わったんだな。」


「うん…。」



それが気になっていた。


「…俺がいきなり居なくなった日あるじゃん。その日から、新しい義父さんの元で住むことになったんだ。俺、その日まで知らされてなくてさ。みゆに言えなかったんだ。」


「そんな事情があったとはな…あの時は泣いたぞ…」


本当にあの出来事は幼心に深い傷を作った。昨日まで隣にいた友達が居なくなったのだから。


「本当にごめん。」


「お前が謝ることでもない…。それより、ゆーくん…今、幸せか?」


私が一番聞きたかったこと。


「…!おう!本当幸せだぜ!義父さん優しいし、皆仲いいしな!」


ゆーくんは楽しそうに笑った。


「それは良かった…」


私もつられて笑顔になった。ゆーくんの笑顔をもう一度見れる日がやってきたことに…感謝しよう。






(ところで方向音痴…直ってないんだな…)

(おう…まぁな。まぁ、とりあえず教務室探してくるわ…またな!)

(ん。またな)