残念な姉

「…残念だったね」

薄暗くなった道を二人で歩く

「うん…でも楽しかったな!」

まだ興奮が覚めないのか小山君はいつもより声が大きい

結局、私達が応援していた赤い服のチームは負けてしまった

「また…行こう」

そう言ったのは小山君の方だった

「うん…!」

予想外の言葉にまた心拍数が上がる

あぁあ…幸せ…
幸せだけど…
逃げ出したい…


空を見上げると
もう月が出ていた…

「樋口…」

急に立ち止まる

「へっ…?」


………


少しの沈黙

「今日は楽しかったな!それに今日の服、いつもと違っていい感じだぜ」

私に送られる爽やかな笑顔

「う…うんありがとう」

今日の私はデニムにタンクトップとTシャツの重ね着
自分なりにカジュアルにしたつもりだ