残念な姉

少し不安そうな樋口さんに小さくウィンクして
「私の言う通りにすればおk」

と姉は笑った

姉の笑顔で
樋口さんは何かを決心したのか
胸に手をあてて静かに微笑んだ。


姉はまた頷き
手首に鞄を引っかけ

樋口さんの肩をぽんと叩くと

飛びきりの笑顔を残しながら
教室を出て行った