この広い世界で、2度目の初恋を


「先輩は敬うもんだろ?先生に習わなかったのかな〜??」


「クソ野郎に、敬うも何もあるかよ」

「やべ、マジでムカついてきたわ…このクソガキ」


ヘラヘラとした笑みを消して、先輩が宇佐見くんに殴りかかろうとする。


「宇佐見くん!!」


私は悲鳴に近い声で叫んだ。


「ふっ!!」


すると、宇佐見くんはそ先輩のその手を掴んで、そのまま背負い投げた。

ドォォーーンッと、先輩が廊下に転がって、それをその場にいた全員が見送る。


「初めてやったけど、背負い投げって結構腕痛いな」

「う、宇佐見くん……」

「まぁ、大丈夫だろ。あと4人くれーなら」


宇佐見くんは不敵に笑って先輩達を見ると、先輩は慌てて雲の子を散らすように逃げていった。

廊下に、私と宇佐見くんだけが取り残される。


「無事で良かった……こんな事なら、ずっと傍に置いとくんだったわ」


困ったように笑う宇佐見くんが、私の頭をポンッと撫でる。

その仕草にホッとしてか、私は今頃になってカタカタと体が震え始めた。