「昨日、ちゃんと……寝れたか?」

「あ、うん!寝れたよ」

「そ、そうか……」


あぁ、どうしようっ!!

何で会話が続かないの!?

やきもきしながら、私は鞄の取っ手をギュッと握りしめる。

すると、いつの間にか教室にたどり着いた。

「樹、おっはよー!!」

「おう」

教室に入ると、宇佐見くんはすぐにクラスメートに囲まれてしまう。

こういうのを見ると、私と生きる世界が違うんだなって、実感する。


「樹〜最近、ビッチと一緒にいすぎじゃね?」

え……??

クラスメートが、宇佐見くんに言った一言。

ズキンッと、胸が痛む。

私のせいで、宇佐見くんが変な目で見られる……。

そうなったら、私……っ。

なんだか泣きそうになった私は、唇を噛み締めた。