「添田、携帯出せ、携帯」
手を差し出す宇佐見くんに、私は首を傾げる。
「え、どうして??」
「いーから」
「うん……?」
不思議に思いながらも、宇佐見くんにスマホを手渡す。
すると、宇佐見くんは自分のスマホと私のスマホを見比べて、何やら操作をしだした。
「ん、これでよし……添田、ほら」
「何してたの?」
スマホを受け取って尋ねると、宇佐見くんはニッと笑った。
「助けてほしい時、話したいことがある時、何でもいいから、俺を呼べよ」
「え?……あ!!」
スマホに、《宇佐見 樹》の名前。
TEL 0x0-0xx0-00x0
MAIL 00xx.000@xxxx.jp
宇佐見くんの連絡先だ……。
私は驚いて、スマホを手に握りしめたまま、宇佐見くんの顔を見つめる。
「その代わり、俺の話も聞けよな、添田」
「……も、もちろんだよ、宇佐見くん」
「ん」
宇佐見くんは満足そうに頷いて、購買で買った焼きそばパンにかじりついた。
そんな宇佐見くんを見つめながら、私は嬉しさと不思議な胸のトキメキでいっぱいになるのだった。


