「…………先生」
廊下を出て、沖田先生の背中に駆け寄る。
すると、先生は無言で空き教室に入って行った。
ついて来いって……事だよね。
何を言われるんだろう、出来ることなら、もう話をしたくない。
でも、無下にも出来ない、仕方ないか……覚悟を決めて会おう。
私は先生の後を追うように、空き教室へと足を踏み入れた。
「来ましたね、添田さん」
「………どうして……」
沖田先生は、窓の方を向いて、こちらに背を向けたまま立っていた。
「しばらく、数学の授業は休みなさい」
「………え?」
今、先生は何て言ったんだろう。
数学の授業を休めって、何を言って……。
教師らしからぬ発言に、言葉を失う。


