「ねぇ、聞いた……?」
「沖田先生が添田さんの事呼んだよね??」
「え、まだ続いてたのかよ??」
「げっ、マジで!?」
クラスメートがザワザワと騒ぎ出す。
私は宇佐見くんに声をかける事も忘れて、立ち尽くしていた。
「……おい添田、大丈夫か?」
「………………」
「添田!」
「あ……っ」
宇佐見くんに腕を掴まれてハッとする。
いけない、ボーッとしてた……。
「ご、ごめん……あの、ありがとう、これ……」
「いや、それはいいけどよ…」
動揺しながらヘッドフォンを渡すと、宇佐見くんは心配そうに私を見つめた。
「私、行かないと……」
「沖田先生に会って、大丈夫なのか?」
「………でも、会わないと」
先生に呼ばれちゃったんじゃ、無視も出来ない。
私は、「ごめんね」と言って、宇佐見くんの横をすり抜けて教室を出た。
そんな私を、宇佐見くんが心配そうに見つめていた事には、気づかずに。


