「七海は、強くなりたいって言ったけど、別に、弱くったっていいんだぞ」

「え……?」

樹くん、それってどういう意味??

不思議に思って聞き返すと、樹くんは私の手をギュッと握った。


「寄りかかることは、悪いことじゃねーから。それに俺は、好きな女だから、七海をどんな時も守りたい」

「樹くん………」


そっか、私は……好きな人を守りたいって気持ちを、無視しちゃってた。

重荷になることばかり気にして、樹くんの気持ちを聞こうともしなかったんだね。


「他の誰でもなく、俺を頼ってほしい」

「あのね……王子様?」


私は、そんな樹くんの不安を消してあげたくて、たまらなくなった。



「お、おう…って、照れんな……」


クールな樹くんが、私のために崩す表情に、ドキドキする。

あぁ、全身でこの人が好きなんだって、思った。

ねぇ、そんな不安な顔をしないで。

私には、あなたしかいないんだよ……。


「好きです、私の王子様……」


届いて、私の気持ち……。