「私が……鈴原先生と仲良しだったら、面白い話題に出来るもんね」
「……はぁ?」
私はそう言って、宇佐見くんより数歩前で立ち止まる。
すると、宇佐見くんも足を止めた。
「私の何を探ってるのか知らないけど……」
自分でも驚くくらいに低い声が出た。
宇佐見くんを振り返ると、困惑した顔で私を見つめている。
「私から話す事は何も無いから」
「おい、何勘違いしてんだよ。俺はそんなつもりじゃ…」
「迷惑なの!!」
感情を抑えて生活してきたのに、ついに声を荒げてしまった。
私は、怒りで肩を震わせながら、拳をグッと握りしめる。
すると、宇佐見くんは大きな声を出した私に驚いた顔をしていた。
「迷惑って……」
「私の世界に土足で入ってこないで!!ただ静かに過ごしたいっていうのが、そんなにいけない!?」
「話聞けって、添田…」
「お願いだから、やめて……」
語尾が震えて、小さくなる。
「添田……」
すると、宇佐見くんはそれ以上何も言おうとはしなかった。
私は、言葉を失っている宇佐見くんを置いて、一人教室へ向かった。
その後を、宇佐見くんは追いかけてこなかった。


