「七海先輩、俺さ……本当に恩返しがしてーんだ」
「それって、廊下で倒れてたのを助けたから?」
「そー。俺にとっては、女神様に見えたわけだ」
ニッと笑う舵くんに、私は首を横に振る。
「や、やめてよ……女神様なんて大層な」
「ビッチとか言ったのに、何も言わずに優しくしてくれたし、それに運命感じた」
「大げさだよ……」
「大げさじゃねーし。だから、俺は七海先輩のためなら何でもやりてーの」
だから、気にしなくていいんだよ。
そう言われてるみたいで、心が少し軽くなる。
年下なのに、優しすぎる舵くん。
同い年で、強引だけど守ってくれた樹くん。
いっそ忘れてしまえたらいいのに……。
何度も願って、それでも消えない想いが、胸を締め付けた。


