「余計な事してスンマセン」
「え……?」
私の手を引く舵くんが、前を向いたまま謝ってきた。
舵くん、どうして謝るの……?
私には、謝られる理由が思いつかない。
「舵くんに感謝することはあっても、謝られることなんて、ないよ?」
「いや……余計こじらせるかなって思って。でも、七海先輩が傷つくの、見てられなかったし……」
「舵くん……ありがとう」
舵くんは恩返しだっていうけど……。
舵くんしてくれたことに比べたら、私のしたことなんて、大したことない。
こんな頼りっぱなしじゃ、いけないのに……。
「もし……」
「え……?」
舵くんが、不意に足を止めて私を振り返る。
その顔が、驚くくらいに真剣で、私は息をのんだ。
な、何……??
なんだか、聞くのが怖いような、聞かなきゃいけないような不思議な気持ちになる。


