「どっちつかずの態度が、七海先輩を悲しませてるって気づいてないんスか」 「っ……俺はっ」 「まぁ、そんな悠長に構えてると、本気で俺が奪いにいきますよ」 「お前……っ」 そう言って、舵くんが、私の手を掴む。 「行こう、七海先輩」 「か、舵くん……」 私の手を引く舵くん。 背中に、視線を感じたけれど、気づかないふりをした。 「七海……」 ーズキンッ 教室を出る瞬間、切なそうな樹くんの声を聞いた気がした。 それに胸を痛めながらも、力強く引いてくれる舵くんの手を頼りに、ひたすら足を動かす。