「七海、俺は……」

「ずっと…忘れられなかった初恋でしょ?」


なんとか誤解を解こうとしたけど、七海に遮られる。

あー、俺、七海に初恋の話したんだっけ。

俺のバカ。

どこに好きな女に、違う女との恋愛話聞かせるアホがいんだよ!!

いや、俺だわ……。

過去の俺に心底失望して、俺はまた弁解しようと口を開く。


「そうだけど、俺、今は……」

「私にも、忘れられない初恋があるよ。どんなに他の人を好きになっても、忘れられない……」


あ………七海の、王子様ってヤツか。

七海は、その初恋を今でも忘れられずにいんのか?

俺には、望みはねーんかな……。


「七海は…まだその初恋の男が…好きなのか?」


ーズキンッ

だったらなんだ………。

今更、七海以外に好きになれる女なんて、いねーし。

七海の笑顔しか見たいと思わないし、触れたいと思うのも、守りたいと思うのも、七海だけだ。