「七海先………っ」
数歩先を歩いていた舵くんが振り返った。
その途端、言葉が途切れた。
驚きに見開かれた瞳に、私が映る。
「ごめんね……何でもないんだ」
「何でもないのに、七海先輩は泣くんスか?」
「うん……」
ただ、泣く事だけは許されるかな。
樹くんを想うことをやめなきゃいけないから……。
やっぱり辛くて、ただ……。
この空を見ていると、泣いてもいいんだよって、言われてるみたいだったから……。
その優しい空に泣きたくなっちゃったんだ。
「何があったかわかんないけど、話せるなら、吐き出した方がいいっスよ」
「でも……」
それって、舵くんの迷惑にならない?
私、もう誰の重荷にもならないって決めたの。
話したら、きっと舵くんも悩ませちゃう。


