「俺は、そういんじゃ…」
「添田さんがいいって言ってるんだもん、いいじゃん!ほら、樹くんはこっちね?」
グイッと腕を引っ張る三枝さんを横目に、私は教室を出ていこうとする。
「七海!!」
名前を呼ばれたけれど、振り返る事はしなかった。
今振り返ったら、情けなく歪んだ顔を見られてしまう。
そしたらきっと、樹くんは私から離れられなくなるから…。
泣きたくなるのを必死にこらえて、教室を出た。
そして、保健室までの廊下をトボトボと歩く。
これで、樹くんは幸せになれる。
私が、重荷になることも…なくなる。
私、これで良かったんだよね……?
そんな事を考えながら歩いていると…。
ードンッ!!
「あっ……」
「っ……スンマセン」
誰かと衝突してしまった。
後ろに倒れ込みそうになる体を、抱きしめられるように支えられる。


