「明日さ、バイト休みなんだよ」

「あっそ」

「あっそって!!樹が冷てえ!!普通、ここはどこか遊び行こうってなる、くだりだろ!?」

「知らねーよ」

「添田〜っ!!」


いつも通りクールな樹くんに、泣きついてくる亮くん。

そんな2人を見ながら、「ふふっ」と笑うと、2人は顔を見合わせて笑った。


「樹の言う通りだな」

「だろ?」
 

え……??

樹くんの言うとおりって??

私は、なんの事か分からなくて首を傾げる。



「添田は笑顔が一番って話だよ!」

「え??」

亮くんの言葉に、ますます首を傾げると、樹くんはニッと笑って、私の頭を撫でた。

「あっ……」

頭っ!!

また、頭撫でられたっ!!

もう、樹くん、私の頭撫でるの、絶対癖になってるよ……。


「そんな顔が見られんなら、これからもずっと傍で守るって話だ」

「えっ………」


ートクンッ

心臓が、また跳ねる。

甘く切なく、静かに鳴った。


「ほら、帰んぞ」

「うん……」

そう言って、自然に手を繋がれる。

私の手を包む大きな手。

温かくて、どこまでも私を安心させる。

守られてるんだと、身と心を持って、思い知った。