「うーん……無いなぁ…」
「何か探し物……っすか」
「あ、は……い?」
不意に声をかけられて、普通に返事しちゃったけど…。
私に話しかける人って、そうそういない。
戸惑いながら顔を上げると、赤茶色の髪が目に入った。
「あ、舵くん……?」
「ウス、その節はどうも……」
気まずそうに後頭部をガシガシと掻く舵くんに、私はペンダントを探すのを一旦やめた。
「お腹は、大丈夫?」
「おかげさまで……」
「そう……良かった」
ホッとして笑うと、舵くんは驚いたように目を見開いて、顔を赤くする。
「舵くん……?」
「あ、えーと……あ、名前…聞いて無かったなって」
「あっ……そうだったね」
あの時は、球技大会が始まっちゃいそうだったし…。
樹くんに手を引かれるまま、保健室を出ちゃったから…。


