「添田さん、話の続きは部屋を変えましょう」
「………はい、分かりました」
考えることに疲れて、私はゆっくりと立ち上がる。
「あっ……」
立ち上がった瞬間、ぐらりとふらついた。
「大丈夫ですか?」
「は、はい……」
沖田先生が私の肩を支える。
沖田先生……言うことを聞くって分かったら、急に優しくなった。
こうしていれば、先生は私を必要としてくれるのかな。
ひとりぼっちでいるくらいなら、利用されてても……。
そう思い始めた時、グイッと腕を強く引かれた。
沖田先生から引き離され、トンッと背中に誰かの体温を感じる。
「……七海に触んな……」
「あ……宇佐美、く…ん……」
その声に、私を後ろから抱きしめているのが、宇佐美くんだと気づく。
宇佐美くんが……私を抱きしめてる。
この腕から逃げ出さなきゃいけないのに、どうしてか、ものすごく安心して、動けない。


