この広い世界で、2度目の初恋を



ーコンコンッ

「………失礼します」


数学準備室に入ると、沖田先生は待ち構えるように足を組んで椅子に座っていた。


「沖田先生……」

「呼んだ理由は、分かっていますか?」


呼んだ理由……そんなの、私が授業に出てるって事以外に考えられない。


「………私が、先生の忠告を聞かなかったから…ですか」


沖田先生を前に、恐縮しきって、俯いてしまう。


「分かっているのなら、なぜ従わないんですか!?」

「っ……それは……」


それは、私にも、学校で普通に授業を受けたりする権利があるって、宇佐美くんが教えてくれたから……。


声を荒げる沖田先生に、私は意を決して顔を上げた。


「沖田先生に……従わなきゃいけない理由は、何ですか?私は…っ、ただ、普通に過ごしたいだけです…」


声も、足も手も震えている。

こんな時くらい、強く言えたらいいのに、それが出来ない。

だから私は、いつまでも弱虫で、泣き虫なんだ……。