「私と会話したら、喰われるって思ってるんじゃない?」
皮肉を込めて笑うと、宇佐見くんは呆れた顔をした。
「添田って皮肉屋だな。もっと素直になりゃあ、いいのに」
「気に食わないなら話しかけなきゃいいのに」
私は宇佐見くんの言い方を真似て、フィッと視線をそらした。
そらした先に、青い空と咲きふぶく桜が見えた。
桃色の雪みたい……。
桜吹雪とは、よく言ったものだなぁ……なんて、考えてみる。
「可愛くねーの」
「それはどうも」
視線をそらしたまま、また皮肉をこぼす。
それから自然と会話が無くなった。
宇佐見くんと話してたら、なんだか疲れた。
私は授業を聞く気にもなれずに、ずっと窓から見える桜を見つめることにしたのだった。


