教室へ戻った私は、隣の席の宇佐美くんをなるべく見ないようにして授業を受けた。
宇佐美くんから、私に話しかけてくることはない。
これで、本当に私と宇佐美くんの繋がりはなくなったんだ…。
ーズキンッ
あぁ……痛い、なぁ……。
どうして、胸が痛むの。
隣に、声が聞こえるほど、手を伸ばせば触れられるほど近くにいる。
なのに、もう二度と、笑顔を交わすことも出来なくなるから?
私の中の宇佐美くんの存在が、今も私を苦しめる。
それを、振り払うように、そっと蓋をした。
『玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
しのぶることの 弱りもぞする』
古典の授業、先生が和歌を読む。
これって、確か……式子内親王が呼んだ歌だ。
私の命よ、絶えるなら絶えてしまえ。
このまま生きながらえていると、耐え忍んでいる私の心が弱くなってしまい、自分一人の心に秘めている想いが、人に知られてしまいそうだから……だっけ。
まるで、私の隠そうとしてる恋の事を言われてるみたいだった。


