「心から、添田さんが心配なんだね」
「あぁ……その気持ちは、嘘なんかじゃねぇ」
すると、不意にギシッとベッドのスプリングが鳴ったような気がした。
「奥に誰かいるんすか?」
「いいや、誰もいないよ?」
「そうっすか……気のせいか?」
確かに、音が聞こえた気がしたけど、まぁそんなの今はどうでもいい。
「だから俺、早くアイツに会わねーと」
「ふふっ、そうだね。会えるといいね」
意味深に笑う鈴原先生に、俺は眉間にシワを寄せる。
「何スカ、その含んだ言い方は」
占い師みてーだな、この人。
まるて、なんでもお見通しみたいな言い方と見透かす視線。
それが、少し苦手だ。
「でも、急いては事を仕損じるともいうしね。会うのは明日にしなさいな」
「はぁ?」
「先生の言うことは、聞いといた方がいいよ。添田さんは、早退すると思うから」
確証はないのに、その視線と物言いが、やけに説得力がある。
有無を言わせない笑顔に押されて、俺は静かに頷いた。
そして、決意して早々に不完全燃焼のまま、俺は保健室を後にするのだった。


