「初恋のって……あの、小さい時に川で溺れてたのを助けたっていう女の子?樹のこと、王子様とか言ってたんだろ?」
「あぁ」
今までは、ずっと初恋の女が忘れられなくて、他の誰かと付き合ってもすぐに別れた。
なのに、七海だけは違った。
七海といると、初恋の女よりもずっと……七海が可愛く見えて、たぶん俺はもう……。
「七海の事が、好きなんだわ…俺」
「樹……」
「なのに、アイツを傷つけたくなくてついた嘘が、アイツをもっと傷つけた」
俺、なんでもっと早く本当の気持ちを話さなかったんだろう。
ちゃんと分かってもらえるように話して、謝るべきだった。
それこそ、土下座でもなんでもして、向き合うべきだった。
「信じてくれてたってのに……裏切って、アイツが誰も信じられなくなったら、俺のせいだ……」
せっかく、七海が笑えるようになったのに……今度は俺が、アイツから笑顔を奪うのか。
そんなの、ぜってー許されねぇだろ!!
自分の不甲斐なさに、腹が立つ。


